私が大学のときにみていたアルティメットのチームには
突発的な怪我に4年間悩まされた選手がいました
彼は大学4年間で右・左両方の膝の前十字靱帯(ACL)を断裂しました
初めは大学1年のとき
4年生が引退して、新チームが発足し、1・2年生が主体となってでる新人戦の前日に、左膝のACLを断裂しました
明日から試合、しかも初めて自分がでれる試合、その前日に・・・
彼はすぐに手術することを決め、県内一の膝の名医がいる病院で手術をしました
一度ACLを断裂して手術をするとスポーツ競技復帰には約10か月前後かかると言われています
特にアルティメットはコンタクトスポーツなのでもっとかかるかもしれません
彼はそこから本当に一生懸命リハビリをして、トレーニングをして、
なんとか10か月で復帰しました
しかし1度メスをいれた脚はやっぱり思うように動かないこともあり、
もともと体の線が細くそれほど筋力があるとは言えない彼は、その後もちょこちょこ練習を抜けるようになりました
そしてあまり満足にアルティメットができないまま3年生になりました
3年生といえばチームの中心的存在になってくるとき
なるべく練習を抜けないように、今まで以上にトレーニングも頑張り、体力もつけ、
なんとか体がついていけるようになってきたそのとき
ちょうど1年で1番大事な夏の大会の1ヶ月前のこと
今度は右膝のACLを断裂してしまいました
そのとき彼は本当にアルティメットを辞めることを考えてました
「今まで十分苦しんできて、もう一度これを繰り返すのか
手術しないでこのまま夏の大会に出て、そのまま辞める
満足いくプレーはできないけど、最後にこの大会に出て、そこで散るわ」
そんなふうに言ってました
でもそこは私も説得
まだ1年ある、こんなところで辞めてどうする、後悔したまま終わることになる
そんな話し合いの末、なんとか続けてくれることになりました
しかし今度は以前手術をしてもらった病院が、手術の予約が2か月3ヶ月先までいっぱいだと言われてしまい、すぐに手術をしてくれる病院探しが始まりました
下手なとこではさせたくない、膝に関して長けているとこ、なるべく早くに復帰ができるようにリハビリシステムもしっかりしているとこ、
こんなかんじで探し回り、なんとか納得いく病院がみつかりました
そこは主に膝を怪我したプロのハンドボールの選手やその他いろいろなスポーツの選手がきているところでした
そんなところだからリハビリメニューはかなりきつかったみたいです
でも最後までへこたれずにメニューをこなし、約4週間で退院
その後も毎日毎日トレーニングの日々
そして4年生の5月に、もう一度アルティメットに復帰しました
夏の大会まで3ヶ月
もちろんスタメンには入れないけど、それでも今までアルティメットができなかった分
それを取り返すかのように本当に一生懸命練習してました
そして夏の大会・決勝
毎年決勝には進んでいたチームでしたが
もちろん彼にとってはプレーヤーとしての初めての舞台
3年間1度も立てなかったコートで彼が走りまわってるのを見たとき
トレーナーとしては、なんとも言えない、言葉にできない思いが込み上げてきました
同期にはおいていかれ、後輩にはぬかされていく日々
みんながプレーしているのを外で見続けていた日々
そんな思いをずっとしてきた彼の最初で最後の舞台
それを見届けられたことが
それこそが
「トレーナー冥利」ではないかと感じています
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